生きることは忘れること

同人即売会のすすめ

ぱてゼミ6期の竹麻呂でございます。ぱてゼミでブログ記事を書くのは久しぶりですが、今回はアドベントカレンダーということで、ぱてゼミは創作推奨コミュニティなので、創作する人・創作を楽しむ人のための場である同人即売会について書きます。

同人即売会とは?

同人即売会1とは何でしょうか。「コミックマーケット」「コミケ」という言葉を耳にしたことのある人は多いのではないかと思いますが、それが最も有名かつ大規模な同人即売会です。辞書風に説明を書いてみると「主に趣味で創作をしている人々が、その作品(=同人作品)を発表・販売2するイベント」というあたりになるでしょうか。もっと違う言い方をすると、「創作を愛する人々のお祭り」です。

御託を並べるよりも実際の様子をお見せした方がいいかもしれません。といっても、マナー上の問題もあって即売会で撮影したいい感じの写真が手元にないので、即売会の公式さんのツイートなど引用してみます。

西1階の様子、賑わっています! 西南間移動もスムーズです #C97 pic.twitter.com/8N7F7T2qtW

— コミックマーケット準備会 (@comiketofficial) December 28, 2019

同人即売会といえばコミックマーケット(コミケ)があまりにも有名で、ちょうどこの写真のような大量の人でごった返しているイメージが即売会の代名詞になっているようなところがありますが、あくまでコミケは同人即売会の一つに過ぎません。他にも即売会は数多くあって、規模も大小さまざまです。

せっかくなので、東大で行われている同人即売会「コミックアカデミー」の様子も見てみましょう(そう、なんと東大でも即売会をやっているんです!)。学園祭の一企画として大学の教室ひと部屋を会場としており、コミケのだいたい500分の1か1000分の1くらいの規模になります。

【駒場祭2019おすすめ企画】「見て触れて楽しむ」同人誌即売会 コミックアカデミーhttps://t.co/xTQPNhnZzi
500に上る企画が行われる駒場祭。どれも魅力的で目移りしてしまう人も多いでしょう。そこで、編集部員が選んだお薦めの企画を紹介します。今回はコミックアカデミー実行委員会です。 pic.twitter.com/vA1194n2K7

— 東京大学新聞|東大新聞オンライン (@UTNP) November 22, 2019

そして、どんな即売会でも共通しているのは3、ずらりと机が置かれ、その上には参加者ひとりひとりの創った作品が並べられているということです。とある参加者の様子を見てみましょう(1枚目の写真が様子のよくわかる写真です)。

コミケの思い出。
ぱてゼミブース全景。りきぽんポップ作成で大活躍でした、モチャマの力の入りように注目。『まふだよ/たまだよ』に加えタツナチャンもたくさん旅に出ました。
4枚目は書き出しエラーでボツになったCDに、気づいたらはやおちゃんがなんか書いてたやつ#まふたまガチャ#東大ぱてゼミ pic.twitter.com/rP8hcVDgna

— 【東大ゼミ木5】鮎川ぱて@しゅわしゅわP (@ayupate) August 13, 2019

このように、それぞれのサークル(作品を出展している参加者を「サークル」と言います)にそれぞれの作品があって、それがたくさん一堂に会している「場」が同人即売会です。即売会とはどんなものか、少しは雰囲気がわかっていただけたたら幸いです。

即売会に行ってみよう

とは言っても、何事も百聞に一見はしかず。人が集うお祭りとしての「場」の力を感じるには、なんといっても実際に行ってみるしかありません。というわけで、以下では即売会に行くといってもどうやったらいいのか、といったことを書いていきます。

どの即売会に行くか決める

上で少し言及したように、即売会は規模も特徴もさまざまなものが数多くあるすので、まずはどの即売会に行くか決めなければ話が始まりません。有名どころではコミックマーケットですが、あまりにも規模が大きく特有の大変さがあるので、私の個人的な意見としては、最初は他の即売会にしておいた方がいいかもしれないと思います。

多くの即売会は、どのような作品をターゲットにするかというのをある程度決めています。たとえば、「THE VOC@LOiD M@STER」(ボーマス)はボーカロイドに関連した作品を対象にした即売会で、「M3」は「音系・メディアミックス同人即売会」、といったような具合です。本当にいろいろな即売会があって、オリジナル=一次創作作品を対象とした「コミティア」(同人誌は二次創作=既存の作品を基にしたパロディだけじゃないんですよ!)とか、情報系同人誌にフォーカスをあてた「おもしろ同人誌バザール」(同人誌は漫画やイラストや小説だけじゃないんですよ!)とか、まだまだたくさんあります。「ボーカロイド 即売会」「東方Project 即売会」のようなワードで検索して行ってみたい即売会を見つけてみましょう4

あるいは、サークル参加している方々(絵師さん、音屋さん、エトセトラ)は参加する即売会を積極的に宣伝していることが多いので、推しのクリエイターのTwitterにアンテナを張ってみるのも一法です。

最後に、上でも紹介しましたが、東大では五月祭・駒場祭で同人即売会「コミックアカデミー」(コミアカ)が開催されています。何の心構えもいらず学園祭の中で会場の教室にふらっと寄るだけなので、東大生の同人即売会デビューに最適ではないかと思います(とはいっても、キャンパスで来場者を迎えて学園祭ができるのはいつになるんでしょうね……😭)。

目標を決める

さて、行く即売会を決めたらば次に何をするかというと、即売会へ行くのが初めての場合、行って何をするかという目標(目的)を一つ(だけ)決めることをおすすめします。具体的には、「このサークルのこの本を手に入れる」とか、「あのサークルの神絵師の顔を一目見たい」とかになりますが、まあ別に「知り合いの○○さんが参加しているから冷やかしに行く」とかでもいい気がします。これは必ずしも一般的に言われていることではないかもしれませんが、即売会に行くのは半日とか場合によっては丸一日を使うことが多くなるので、一つ軸を決めておくというのはそれが達成できれば満足が得られるという点で、初めての人にとってそれなりに意味のあることかなと思っています(まあ達成できないととても凹むのですが……)。そういう意味では、事故らなければ達成できそうな目標にしておくのがポイントで、「先着X名限定アイテムを手に入れる」とかはやめておきましょう。

(あ、それで、当日は目標を達成したあとにぶらぶらいろいろなサークルを見て回ると楽しいです。思いもよらない出会いがあります。というか、私的にはそれが即売会の楽しみ方のメインだと思っているんですが、それだけでは張り合いがないというか、それ以外に何か一つ心に決めておくと良いです、というのが目標を決めるということの趣旨です)

情報を集めて計画を立てる

そのまんまです。どれくらい詳細にやるかですが、立てた目標に応じて決めれば良さそうです。日時と場所が分かっていないとさすがに困りますし、入場にあたって事前に手続きが必要な即売会も(昨今の情勢もあり)増えていますので、そのあたりは最低限確認しておく必要があります。事務的な部類の話ですが、一般に即売会は開始時刻直後が一番混雑して大変で、遅い時間になればなるほど空いていくので、うまく到着時刻を調整すると良いです。もちろん遅すぎると欲しかった作品が売り切れて手に入らなかったり、途中でトラブルに巻き込まれて間に合わなかったりするので、ほどほどに。

その他、即売会に参加する人へのアドバイスや注意点はインターネット上でもたくさん手に入ります。ここで事細かに述べることはしませんが、そうした情報をうまく活用してください。

補足:昨今の情勢について

同人即売会は時に混雑することもありますが、即売会の会場となる施設は公共施設であることが多く、イベントの開催にあたっては各種ガイドラインに則って運営することが求められています。即売会も例外ではなく、必要な措置を講じた上で開催されています。ただし、リスクの度合いや感じ方は人それぞれですから、各自の判断で時機を見て参加してもらえたらと思います。

サークル参加してみよう

即売会に作品を出展することを「サークル参加」と言います(ちなみに、作品を買いにくる参加者のほうは一般参加者と言います)。同人即売会に行ってみたら、自分も作品を出展したくなるという方は少なくないのではないかと思います(特にこの記事の読者には)。実際、ネットで作品を公開するのも素晴らしいことですが(多くの人に作品を届けることができるという点では優れているでしょう)、即売会で直接作品を見て手に取ってもらえるというのは素敵な経験になると思うのです(というか、自分のかいたものが本になるということはそれだけで素敵な経験かもしれません)。

それで、ぱてゼミではメイツの作品を集めたコンピアルバムを作ってコミックマーケットにサークル参加しています! これはまたとない機会なので作曲勢のメイツは募集があったらぜひ参加するといいと思います。

【情報解禁! コミケ4日目南セ09a #C96
いつも #東大ぱてゼミ をご愛顧ありがとうございます。
8/12より、#まふたまガチャ を実装いたします。

『まふだよ』『たまだよ』

2枚同時頒布、どちらが当たるかわからない!(ピックアップ率50%、全17曲中16曲は同内容です)
史上最多48人参加の渾身作! pic.twitter.com/nQgsmlBuqJ

— 【東大ゼミ木5】鮎川ぱて@しゅわしゅわP (@ayupate) August 11, 2019

それはそれとして、個人で自分の名義でサークル参加することももちろんおすすめです。サークル参加には注意点もいろいろありますが、何かしら作品が作れそうならば、あまり深く考えずに申し込んでしまうというのもそんなに悪いことではないのではないかと思います(開催日が近くなってからいろいろ調べればよいわけですし)。同人界隈には、何かがかいてある紙を折れば4ページの本だし、コピー機で印刷された紙でも折れば本、という感覚があります。即売会は参加することに意義があります。

「締切を作ることが、創作の第一歩」というキャッチフレーズを作ったことがあります。共感される方も多いのではないかと思いますが、同人即売会のサークル参加を申し込むことはまさに締切を作ることです。

即興広告デザイン芸 pic.twitter.com/QOnAOmhdCm

— 竹麻呂 (@Takemaro_001) October 11, 2018

そしてサークル参加デビューに特におすすめなのがコミックアカデミーです。サークル参加いただけるのは東大構成員やOB等の方のみですが、そのハードルさえ越えてしまえば、学園祭の場を利用して開催しているためアウェイ感(?)が少なく(?)、知り合いを含めて多くの方に手に取ってもらいやすいというメリットがあります。あとこれ地味に重要なのですが、会場費がほぼゼロなのでサークル参加費もお安くなっております。(あとはキャンパスで来場者を迎えて学園祭ができる時を待つだけなのですが……😭😭)

スタッフについて

即売会への関わり方として、一般参加・サークル参加の他に、スタッフというのもあります5。同人即売会のスタッフは多くの場合ボランティアで、広くこっそりとスタッフ参加を募集しています。これは口に合うかどうかは人によるので万人におすすめできるものではありませんが、即売会への関わり方は人それぞれですので、そういうのもあるんだよという意味合いで紹介しました。

まとめ

創作を愛する人々のお祭りであるところの同人即売会について紹介しました。初めて参加するときは目的を決めるのがおすすめですが、楽しいのはあてもなくぶらぶらいろいろなサークルを見て回ることで、思いもよらない出会いがあります。それから創作をしている方はぜひともサークル参加をしてください。ぱてゼミではメイツの作品を集めたコンピアルバムを作ってコミックマーケットにサークル参加していますし、個人でサークル参加するのももちろんおすすめです。自分の作品を直接見て手に取ってもらえるというのは素敵な経験です。


  1. 1. 「同人誌即売会」という言い方のほうが一般的な感もありますが、即売会で扱われる同人作品は本(同人「誌」)に限られないので、私は「同人即売会」と呼ぶ流儀を採っています。
  2. 2. 諸般の事情で「販売」ではなく「頒布」という言い方をすることも多いです。
  3. 3. 何事にも例外はありますが。
  4. 4. ところでここに挙げた即売会の中には私が行ったことのないものが混ざっています。エアプってやつですね。
  5. 5. 扱いきれませんでしたが、コスプレなどもありますね。