生きることは忘れること

「都市工学徒猪瀬舞概念」を執筆・寄稿しました

東京大学きらら同好会所属東京大学恋する小惑星同好会の合同誌『#FindOurStars vol. 2』に、10ページ少しの論考「都市工学徒猪瀬舞概念」を執筆・寄稿しました。

都市工学徒猪瀬舞概念 @Takemaro_001
近年注目される「東大生猪瀬舞概念」の分野に、都市工学科から竹麻呂氏が参戦です。
都市計画と地理の関わりや東大都市工学科の活動を通じて、都市工学徒イノ先輩の実像に迫ります。

告知ブログもどうぞ: https://t.co/45dlWa0hsU#FindOurStars pic.twitter.com/i68vE8CKrP

— 東大恋アス同好会@よんこま文化祭 さ02 (@UT_koias) October 23, 2021

Vol. 1にてふぁぼん (@syobon_hinata) 先生が提唱した「東大生猪瀬舞概念」を受けて、イノ先輩の進学先の候補にわれらが都市工が入っているとなればこれはもうとことん突き詰めるしかなかろう、ということで執筆したものです。

2021年10月24日(日)に蒲田の大田区産業プラザPiO 小展示ホールにて開催される「よんこま文化祭2021」の「さ02」にて頒布されます。

明日10/24 #よんこま文化祭 さ02「東京大学きらら同好会」で、恋アス同好会新刊 #FindOurStars vol. 2 を頒布します。 文章・パズル・イラスト寄稿8名、ページ数92と前回を超えるボリュームです!
前回同様、全ページカラーの電子版DLカードも付属します。
詳細→ https://t.co/Rjliw2SmCg
#koias pic.twitter.com/IZcVUjgNRi

— 東大恋アス同好会@よんこま文化祭 さ02 (@UT_koias) October 23, 2021

また、メロンブックスへの委託頒布も行われますので、通販でも入手いただけます。

#FindOurStars Vol. 2 は、きらら同好会新刊Micareと共にメロンブックス様へ委託させていただきます。
通販、店舗、店舗受取りなどお好きな方法で入手いただけます。
(委託の場合も、電子版DLカードは付属します)
https://t.co/ead299bfTX

— 東大恋アス同好会@よんこま文化祭 さ02 (@UT_koias) October 23, 2021

新たな概念を切り拓くふぁぼん先生による気鋭の小説、アクティブオタクによる巡検の記録、正統派考察たる年表、そしてなんと恋アスを題材にしたパズルなど盛り沢山の内容に、あをもみじ (@awomomiji) さんの装丁・組版で大変素敵な本に仕上がっておりますので(まだ実物を目にしていないので私もたのしみです)、ぜひお手にとってお楽しみいただければと思います。

以下、本文中の議論からピックアップして概要をご紹介します。

都市工/都市計画とは

「都市工」とは東京大学工学部都市工学科(・大学院工学系研究科都市工学専攻)のことで、ここでは2コースあるうちの都市計画コースを考えています。要するに都市計画を専門にする学科ということで、それでは都市計画とは何ぞやという話ですが、大雑把には、建物や道路や公園などといった都市を構成する要素の間相互の関係性を調整することを通し、都市における環境の向上を目指す営み、とでも説明しましょうか。計画を長い時間かけて実現するためのルールが法律として決まっていて、都市の中で建てられる建物は皆それに従っているというのがポイントです。また、最近の動向としては、「コンパクトシティ」「低炭素」「防災」といったキーワードを挙げることができるでしょう。

猪瀬舞と都市工のつながり

そんな都市計画と猪瀬舞の繋がりはといえば、まずはもちろん地図です。都市計画ではさまざまな地図が使われ、計画の要素を多数の色を使って表現したカラフルな地図が登場します。適用される法律のルールによって色を塗り分けた地図などは、自治体の境界と同じように実際には“目に見えない”ものが描かれているわけで、それも魅力と言えるかもしれません。また、未来へ向けた計画を立てることは、現在の良いところを探すことでもあるので、そういう意味では都市計画の地図を「宝の地図」(1巻p.72)と言うこともできそうです。

東大では、所属する学部・学科を決めるのは2年生の秋で、それまでは「前期課程」としてすべての学生が教養学部に所属することになっています。そしてその前期課程には、都市工が開講している授業が存在します。「東京の街を歩き、その空間について考える」「TOKYO: 東京の都市計画」などというタイトルで、前者なんかは特にイノ先輩の気を惹きそうです。そんなわけで、こうした授業で都市計画と出会い都市工に進むイノ先輩、というのは十分あり得るように思います。

都市工における猪瀬舞

それでは都市工に進学した猪瀬舞の様子はどうでしょうか。都市工の授業の中心は「演習」と呼ばれるもので、集合住宅の設計だとか都市マスタープランの策定といった課題を個人あるいはグループワークでこなすという内容です。「地区の実態認識と評価」という街歩きが中心の課題があるほか、それ以外の課題でも現地を訪れる街歩きの機会はありますが、課題の内容の多くは必ずしもイノ先輩の関心ど真ん中というものばかりでもないのがちょっと気になるところです(特に、都市計画は“より良い”未来へ向けて都市を変えていくというのが基本的な視点で、あくまで対象を観察・記述する地理学的な立場とは相性が悪いという見方もできます)。とはいっても、そもそもイノ先輩は地学部で3年間の活動をまっとうしているわけですから、そこは心配いらないでしょう。授業以外でも、「学科旅行」などの催しに参加して都市工ライフを満喫しているイノ先輩の姿が目に浮かびます。

猪瀬舞の研究室

4年生になったイノ先輩がどの研究室に所属するかも考えてみましょう。

都市デザイン研究室

まずは都市デザイン研究室です。「デザイン」というと都市計画よりさらにイノ先輩の関心から離れるような感がありますが、都市工における設計(デザイン)のポイントの一つは地域について幅広い分析を行うことであり、そのような意味で、本研究室は具体的な“地域”との関わりが深い研究室といえ、イノ先輩の街歩きが活かせる部分もあるように思われます。

それともう一つ、都市デザイン研究室では都市計画史という研究テーマも取り扱っています。イノ先輩が地図・地理に関して歴史的方面にも関心のあることももちろんですが、都市計画の中では(実際の計画との関わりは無視できないとはいえ)比較的純粋な地域に関する研究が行いやすい分野で、イノ先輩に向いている分野と言えそうです。

住宅・都市解析研究室

二つ目は住宅・都市解析研究室で、分かりやすいところでは地理情報システム (GIS) の研究なんかでしょうか。これに限らず、人間の活動と都市の空間との関係という意味での地図の作成・表現方法の研究例などもあり、都市工において最も「地図」と直接関係のある研究室であると言えます。